いろいろな矯正方法がある中で今回はサルファイトとケブラリンク(タンニン)を使った矯正です。
まずはケブラリンク特徴からですが…
ケブラチョタンニン18%
pH8.5(低分子化活性調整済み)
分子量1500
収斂作用・タンニン架橋・消臭作用
いわゆるタンニンなのですがポリフェノールの一種で、そもそもポリフェノールがなんだよ?ってことになってくるのですが(笑)
亀の甲羅みたいな六角形の構造式ベンゼン環のHが-OHに置き換わったフェノール性水酸基
この-OH(水酸基)がたくさんや多価という意味のポリでポリフェノール
で、このポリフェノールがどう髪に作用するかというと…イオン結合・疎水結合・水素結合の3つでタンニン架橋が起きます。
①ケブラリンクの水酸基の-OHはアルカリ性に傾くとO-とH+にイオン化します。
で髪もアルカリ性になるとイオン結合が切れて、酸性のカルボキシル基-COOHと塩基性のアミノ基NH3+に分かれます。
ケブラリンクの-Oとアミノ基NH3+が結合してタンニン架橋がおきます。
②先ほどフェノール基はベンゼン環に水酸基がくっついたものと書きましたが、毛髪を構成するアミノ酸のなかにもベンゼン環の構造を持ったアミノ酸があります。
チロシン、フェニルアラニン、トリプトファンなど、ベンゼン環そのものは本来水に馴染まない疎水性なので
同じベンゼン環を持つ疎水性同士が集まり疎水結合によってタンニン架橋します。※正確には疎水性相互作用になります。
疎水性相互作用は分かりやすく言うと水の上に浮いた油の粒が放っておくと一つの大きな塊にまとまるようなイメージで…
③髪は水に濡れると水素結合が切れます。ケブラリンクのたくさん持っている水酸基も乾くと水素結合をするのですが①や②でタンニン架橋した髪は水素結合する力が増えているので
水素結合自体は弱いものですが、ダメージした髪はSS結合などその他架橋要素が減ると水素結合の割合・影響が大きくなります。
ダメージ毛の方が寝ぐせ(水素結合)がつきやすいイメージして頂ければと(笑)
この①②③のタンニン架橋の要素を矯正に応用しダメージ毛、エイジング毛などSS結合が少ない毛質にSS結合に頼らないタンニン架橋で毛髪強度を上げながらクセを伸ばすことが出来ます。
という事で今回は軟毛・細毛・カラー毛で癖は強い
根元はアルカリ還元とタンニンで補強しつつ、毛先は毛髪強度が落ちているので微還元トリートメントしながらタンニン架橋で補強。
軟毛・細毛・癖強の方はアルカリに弱いのですが…だからと言ってpHを中途半端にすると伸びませんし、強すぎれば過軟化でビビリやすくなります。
ちなみにタンニンは前述した①②の効果で膨潤しにくくなりますので
アルカリ強めでも過軟化しにくく、しっかりと放置時間を置くことが可能です。
あと、②の効果で構造にアミノ基を含有する還元剤システインやシステアミンとケブラリンクは非常に相性が良いです♪
使用薬剤
根元:TGクリーム:THECys:SSSrate:ケブラリンク(サル割) 4:1:5%:3%
毛先:モンキーマジックジェル:SSSrate:ケブラリンク (サル割) 1:5%:5%
放置タイムは25分
※モンキーマジックジェル(サルファイト4%シス3%)
ケブラリンクを使用する上でのポイントはpH8以上のアルカリでないとタンニン架橋の効きが甘くなります。
またSSSrateなどケラチンPPTと併用することで架橋効果がアップします。
仕上がりはこの通りタンニン架橋によって毛髪強度が上がりハリコシと艶が出ます。
スピエラやGMTなどでpHを中性~酸性で施術すればアルカリによる加水分解ダメージはないので毛髪強度を下げない施術として重宝しますが
アルカリカラーしている方だとどうしても毛髪強度が落ちていってしまいます。
毛髪強度を上げるにはアルカリ側でないと処理剤は効かないため、中性~酸性域での守りの施術も大事ですが
アルカリ攻めながら毛髪強度を上げる施術もできると幅が広がって良いかと思います。
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