熱を使う縮毛矯正やデジPは感覚(センス)でもいいのですが理論(セオリー)を知っておくとどこで失敗したのか?もっと上手に施術を組むには?のヒントになりますので参考になれば。
ガラス転移とは非晶質材料(アモルファス)が温度の変化によって硬くて脆い「ガラス状態」から、柔らかくて可塑的な「ゴム状態」へと性質を変える現象です。
…と言われても難しいですよね(笑)
身近なとこで例えるとブローやコテなどでスタイリングするとき熱加えると髪は柔らかくなり冷えると固定されるあのことです。
ちなみにこのガラス転移温度(Tg)はイラストの様に一定ではなく水分量で変化します。
水分量が多いとTg値は下がり低温でもガラス転移を起こしやすく形状変化しやすい…
水分量が少ないとTg値は上がり高温でないとガラス転移を起こしにくく形状変化しにくい…
例でいうとデジPのときドライ気味でロッド加温するより、ウェットからロッド加温したほうが掛かりが良いですよね?
イラストだと青線右下辺りです。
矯正はアイロン時の水分がもともと少ないので言葉で表現することは難しいのですが
イラストだと青線左上辺りです。
カラカラに乾かすと癖が伸びずらく、より高温が必要になるので硬くパサパサ仕上がる
逆に水分量が多いと癖は伸ばしやすいけど、水分が残り過ぎた状態で酸化すると細部の形状が安定しにくかったり…
なのでいい塩梅の水分コントロールが大事なのです。
一般的にドライなら110~150℃、ウェットなら60~80℃くらいと言われますが…
講習会参加された方には非接触温度計で計測して頂きましたがアイロン180℃固定で通したとき髪の温度は何℃か覚えていますか?〇△□℃でしたよね?
知りたい方は講習会でお待ちしております^^
まとめると…
イラストの青線Tg値以上で施術すればケラチンは柔らかくなり形状変化させやすく
Tg値以下だと硬くなり形状変化しにくくなります。
もちろん残留還元剤や残留アルカリ剤、水素結合などいろいろな要素が複雑に絡みあって起きるのでこのガラス転移温度(Tg)だけに捕らわれずにあくまで熱を使う施術のうち一つの要素として覚えて頂ければと思います。
…って締めくくっちゃダメじゃん!!
タイトルの処理剤が出て来てない(笑)
ダメージ受けると乾燥しやすくなるので形状変化しやすいTg値の捕捉が難しくなります。
ではどうしたらいいのか?
THE CMCやAlice、SSSrateケラチンなどで処理するのがオススメです。
THE CMCは各種セラミド、CMC類似脂質、18MEAなどナノ化CMC
SSSrateケラチンは尿素や多価アルコール類
Aliceは低~高分子のアルキルカチオン化ケラチン
がケラチン間の水素結合や分子間相互作用を緩和する可塑剤としてTg値を下げる働きがあります。
Tg値を下げることで髪は伸ばしやすく又は曲げやすく形状変化しやすい状態を作ることが出来ます。
ちなみに五花オイルはTg値を下げる効果は低いのですが摩擦を減らしたり疎水性被膜を形成し間接的にTg値を下げる効果があります。
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