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数字に振り回されない“本当の美容科学”


WECOでは還元剤や処理剤など美容商材の開発販売をしているのでそれに付随する情報発信をしています。

商材の説明になるのでどうしても理論的な内容になるのだけれど、DMでやり取りしていると中には過信して現場の感覚や素材の違いを軽視してしまう方が一定数いるような気がします。

例えば「水の致死量は10L」というとんでも話と同じで理論上は正しくても現実にはその条件が揃わないことがほとんど…そんな小一時間で飲めねーよ(笑)的な。
薬剤も同じで数字や分類が“そのまま結果を保証する”わけではありません💦

理論は“座標軸”であり結果そのものではない
・還元効率○%
・親水還元や疎水還元
・薬剤の特徴
こうした理論はあくまで基本的な方向性を示すものです。
実際の髪では髪質・水分量・ダメージ履歴・操作条件といった要素が大きく影響し理論通りの動き方をしないことが多い。

髪は均質ではなく“個体差の大きい素材”
髪内部は親水性・疎水性の領域が明確に分かれているわけではありません。
またダメージや履歴によって構造も変化していて薬剤の動き方は一定にならない。
親水還元剤でも時間が経てば疎水部に作用するなど「分類=境界線」ではなく「分類=傾向」でしかない。

僕は料理が好きなのですが…え?聞いてない(笑)?

料理の甘味に置きかえると
砂糖・みりん・ハチミツなど、“甘味”という分類は同じでも、実際の作用は素材や条件で大きく変わる。

共通するのは下処理時に脱水効果で素材の旨味を引き出すけれど

・砂糖:素直な甘味で味の設計がしやすい。短時間であれば刺身の脱水にはうってつけ!

・みりん:肉は柔らかく、魚は締めるそれでいてあの独特の照りとコク。しぐれ煮や照り焼き最高✨

・ハチミツ:浸透圧や保水で独特の仕上がりにあの風味♪

さらに付け加えるなら糖の焦げは物理、旨味成分の抽出は化学、漬物や熟成肉の菌数管理は生物、
火入れや水分移動は熱力学。
という感じで甘味料の選び方と火加減で料理が変わるように、薬剤の分類と施術条件で結果は変わる。
美容の理論も同じで「同じカテゴリーでも現場での出方は素材次第」。

もちろんそんな屁理屈ばかりで料理するわけではなけれど(笑)

現代の料理人と同じで、“科学的理解 × 現場感覚”が本質

ひとむかし前の板前さんやフレンチシェフは秘伝や流儀など継承される技術は経験が裏打ちされたもの

現代はそれにプラスして科学を理解しつつ素材に合わせて判断を変える。

美容も同じでひとむかし前と違って新規還元剤や原料が開発されたり、髪質ダメージの複雑化が進み従来の技術や感覚だけでは難しくなっています。

技術を軸にしつつ素材(髪)と理論を合わせて微調整する力が良い結果を決めるのかと思います。


理論は必要だけど理論だけで現場は語れない。

髪という不均質で個体差の大きい素材に対して薬剤の分類や数字を“そのままの形”で当てはめるのは危険では?
科学的理解をベースにしつつ素材の状態や操作条件や経験を重ねて判断することが美容技術の本質ではないかと思う今日この頃です。





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カテゴリー:ケミカル 雑感
2025.11.06

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