弊社協賛の日本毛髪ケラチン協会から新しい動画配信いたしました!
ケミカル講座≪第22回≫ 「チオ」と「シスアミ」の違い ——KSSRがイオン結合する!—— ・・・を配信しました。 「チオグリコール酸」と「システアミン」。 この2つの還元剤は、 ミックスジスルフィド(KSSR)のできやすさと イオン結合の有効性が大きく異なります。 その違いをしっかり確認していきましょう!
併せて2022年に書いたFacebookの非公開グループの記事になりますが興味のある方はこちらも参照してみてください↓
システアミンのミックスジスルフィドは端っこのNH2+と髪のCOOH-がイオン結合して安定するのでシステアミンの2量体シスタミンにはほとんどなりません。
という事は平衡反応式で交換反応が起きないので…
①KSSK+RSH⇄KSH+KSSR
②KSSR+RSH⇄KSH+RSSR
システアミンの場合①式で止まり②式へ移行しません。
ざっくり言うとシステアミンは髪のSS結合をばっさばっさ切って、その片割れと髪に一方的にイオン結合していくので不可逆的結合で元のSS結合が減っていきます。
チオと違って可逆的な反応ではないので、システアミンは回数を重ねるごとに効かなくなってきます。
ちなみに平衡反応式はイオン化するのが前提なのでミックスでより疎水性の強いシスアミやシス(シスチン)なんかはイオン化しなくなってるので反応がそこで止まってしまいます。
スピはジブチロラクトンジチオール?これも疎水が非常に強いので②式へ移行しないと思います。
なのでざっくり言えばイオン化しやすい親水性還元剤は②式へ可能。イオン化しにくい疎水性還元剤は①式止まり。
イージスはこの2段階の平衡反応の逆反応を利用するので
還元剤の種類としてはチオグリコール酸やチオ乳酸のミックスジスルフィドは親水性でイオン化しやすいのでイージスが良く効きます。
逆にスピエラ、システアミン、シスのミックスジスルフィドは疎水性でイオン化しにくいのでイージスが反応しにくいです。
ちなみにGMTとチオグリセリンは半々といったところで…イージスは効きます。
少し話が逸れますが、GMTは加水分解が進むほどチオグリコール酸とグリセリンになるので、時間経過するほどにイージスが効きやすくなります。
またGMTは放置タイムを長めに置いた方がダメージが少なくなる理由もこれで、イオン化して交換反応が起きやすくなるので放置時間長めの方がダメージは少なくなります。
放置タイムはだいたい20~40分それより短いとイオン化していないGMTの残留が多く、癖が伸びづらかったりダメージの原因でリターンが悪くなりがちです。
なのでGMTを使うときには放置タイム長めに置けるようにするのがおすすめです。
…という感じで
動画内でもシステアミン単体は使うほどにパーマが掛かりにくくなると紹介されていますが…
というのもシステアミンのミックスジスルフィドがイオン結合して良くも悪くも安定してしまうためです。
システアミン単体で還元するほど元のSS結合が減りミックスジスルフィドになってしまうので、2回3回目になると還元出来るSS結合が少なくなるために起きます。
チオグリコール酸の場合は中間水洗で平衡反応によってある程度SS結合に戻るので繰り返しパーマが掛かるという違いがあります。
※中間水洗後にイージスを使うと効率よくSS結合再結合を促進します。
このシステアミンのミックスジスルフィドにより掛かりにくくなる現象を回避するにはチオグリコール酸を混ぜると、システアミンのミックスジスルフィドを還元して回避することが可能になります。
毛髪内ではいろいろ起こっていますねw
なので複合還元といった複数種の還元剤で作られる製品の中に必ずと言っていいほどチオグリコール酸配合が多いのはこういったメリットがあるからです。
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