前回の中性システアミン“Libra Carl 7”の続きで、“ポルフィリンと酸化還元反応”についてなんですが、その前に一つ訂正があります^^;
前回のブログの中で、これから“Libra Carl 7”とアルカリ剤と増粘剤の組み合わせでいろいろできちゃうレシピをアップしていく予定でしたが…予定していたアルカリ剤が濃度的に危険物扱いとなり、薬事法に収まらないので作れないという事になりました…まぁ、その辺はダブル還元、トリプル還元で対処ということで^^;
それでなくても“Libra Carl 7”のシステアミン濃度7%はかなりの強さがありますけどね♪
では、本題!!“ポルフィリンと酸化還元反応”について…
ヘマチンや銅クロロフィリンって言えば美容師さんならピンとくるはず^^そう、ポルフィリン類似化合物のひとつ金属錯体のことです。
このヘム鉄や銅クロロフィルNaを含むポルフィリンには酸化還元特性があり、酸化にも還元にも良好な触媒作用が得られるというメリット☆
分かりにくい方はこちらを参照して下さい→カラー剤とヘマチンとパーマ剤とヘマチン
ってな感じで、WECO BASEではヘマチンしか使わないのですが^^;
・カラーの前処理でヘマチンを毛髪内部に浸透させると、ヘマチンが酸化触媒作用によりカラー剤の過酸化水素による酸化分解を促進し、発色作用時間を結果的に早め染色率アップ♪
・カラーの乳化時には乳化することによって酸化しきれていない酸化染料を毛髪内部に浸透させ、乳化後にヘマチンでさらに乳化させることで酸化しきれていなかった酸化染料をヘマチンが酸化触媒作用により酸化重合を促進し、カラー剤の分子量が増大するので退色を防ぎます。
・パーマにいたっては簡単^^;中間処理でヘマチンを塗布することで2剤である酸化剤の作用をヘマチンの酸化触媒作用によって酸化を促進するもの…
…そう、僕自身ヒントを下さった大阪市のNさんのあるひと言が無ければ僕はヘマチンはただの酸化促進剤+ケラチン架橋剤という認識しか無かったのです;;
二回も言っちゃうけど、ヘマチンや銅クロロフィリンNaなどのポルフィリン化合物は酸化還元特性があるってこと!!つまりヘマチンは酸化促進だけじゃなく還元作用も促進してくれるってことです^^;
では実験、中性システアミン7%にヘマチンを○○%配合して還元促進させてみる!!
中性システアミン7%にヘマチンを濃度別に添加して還元作用の効率が良い配合を特定する実験がコレ↓
まぁ、このへんの%は秘密になりますが^^;上の6種類の中から一部実験結果を公表☆
手順は以下の通り
①23mmウィンディロッド使用。
②左:某コスメカーリング剤、真中:中性システアミン7%ヘマチン入り、右:中性システアミン7%ヘマチン無しで湿熱で7分。
②中間水洗
③ファイマックスー750(φ型ケラチン)を精製水で10倍希釈したもので10分湿熱クリープ。
④クリープ後ヘマチンでケラチンを架橋
⑤バッファ剤…φ型の酸縮合による高分子化の為。
⑥ブロム酸を5分の2度付け。
1剤の還元作用と2剤の酸化作用がヘマチンの触媒効果によって酸化還元反応を促進することから還元時間を10分から7分へ3分間短縮、酸化はブロム酸7分の2度付けを5分の2度付けで4分短縮、合計7分短縮して検証。
左は某コスメカーリング剤はpH8.5のアルカリでもシステアミン濃度が低いためか右の中性システアミン7%に負けてる^^;
真中の中性システアミン7%ヘマチン入りはなかなか均一なウェーブを形成♪
ドライ後ウェーブがが見えやすいようにちょっと刈り上げちゃいました^^;それでも画像だと少し分かり難いのですが、右の中性システアミン7%は根元から中間にかけて若干ダレを感じる程度なのに対して真中の中性システアミン7%ヘマチン入りは均一なリッジ感♪
中性システアミン7%のみと中性システアミン7%ヘマチン入りの結果から、ヘマチンによる1剤の還元促進作用により毛髪内部のS-S結合が速やかに切断され、2剤もヘマチンの酸化促進作用で切断されたS-S結合を速やかに再結合したものと推測。
つ・ま・り…ヘマチンを添加することで酸化還元反応を活性化して時間短縮になり、還元剤としてはアルカリに頼らなくても還元促進できちゃう^^もちろん“Libra Carl 7”にはヘマチンを添加しています♪※ちなみにヘマチンの添加量が多いとウェーブ効率がダウンしました^^;
予定では11月末に…
“Libra Carl 7” ポルフィリン含有中性システアミン7%カーリング剤
NET/500ml 1.300円(税抜き)
での販売予定ですが、もしかしたら遅れる場合もありますのでご了承下さい。
※訂正です。還元促進はしません。酸化効率が上がるだけでしたm(__)m
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