現在お取引のサロン様とメールでやりとりしてて、あれ?これって意外と他の美容師さんも疑問に感じた事のあるじゃないかな?と思い、紹介させて頂きます。
※独断で公開しないほうが良いと思う箇所は○○にしています^^;
「おはようございますm(_ _)m
度々すみませんが、
今日○○のセミナーに行ったのですが、
システアミンのPHが8以上は
S-2、それ以下はS-1
を切る、と言っていて
どうゆう事か質問したんですが、
理解できませんでした(ーー;)
健康毛にはアルカリを使いS-2
を切り、ダメージ毛には中性でS-1
を切ると言う事なんでしょうか?
それとも見解が色々あるのでしょうか?色々聞いてすいません!!」
『あぁ~…僕も昔それ疑問でした^^;
難しく言われると混乱するので簡単に考えればわかりやすいです。
毛髪はアルカリで膨潤する!!です。
中性域だとアルカリの様な膨潤はしないので硬質なパラコルテックスを軟化させることが出来ないので結果的に疎水性のS2を切断し難いということです。
システアミンの特性は主にS2を切断することなのですが、アルカリ性にふることでよりパラコルテックスを軟化させS2を切断しやすくしているだけなのです。
恐らく○○さんとしてはシステアミンは中性だとS2よりもS1を切断する量が多いと言いたいのだと思います。
スピエラなどはpHが酸性からアルカリになるとラクトン環が開環して構造が変化することはあっても、システアミンはpHで構造自体は変わらないのです^^;
…解り難いですかね^^;
PS.僕も2/6に豊橋で開催する○○さんの講習会にこっそり参加してみます^^』
「こんばんは!
ありがとうございますm(_ _)m
てっきり、システアミンはS-2
だけを切るものだと思ってました!
今日軟毛でダメージ4~5のお客様に
三倍希釈で10分放置し、
中間水洗後、ファイマックス5倍希釈で
試してみたんですが、
ちゃんとウェーブがでました!
いつもpH8.2 、アルカリ0.1未満、
濃度1.65のシステアミンで
クリープありでも、いまいちウェーブが出にくい方なので、ビックリしました。
もっと色々勉強しますm(_ _)m
また○○行ったら教えて下さい」
というメール内容でした。ただこのとき正確な情報を伝えるのを忘れたのこちらで追記します。
システアミンは“NH2-CH2CH2-SH”と表します。構造のなかにアミノ基とチオール基が結合していて、他の還元剤と違ってアミノ基が存在するのが特徴ですね。
で、システアミンというのはpHが酸性~中性(pH8以下)ではアミノ基が“+”に帯電します。なので、“Libra Carl 7”の様な中性のシステアミンだと毛髪の外部を主に還元するということになります。
ところがシステアミンというのはアルカリ性(pH8以上)だとチオール基が“-”に帯電しますので中性のシステアミンよりも、もう少し毛髪内部に浸透し、より多くのS2部分を還元します。
つまり、システアミンを化学的な視線でウェーブ効率を考えたとき、効率よく且つ低コストでカーリング剤を作るなら、pHをアルカリにして、2%以下の低濃度システアミンを作れます…だから大手美容メーカーのカーリング剤はpH8.5以上のものが多いのだと思います^^
話しが少し逸れましたが、還元剤はチオール基を持つ以上S-S結合を切断します…だからといってチオグリコール酸はS1のみ切断ではなくS2も切断するし、システアミンはS2のみを還元するのではなくS1も還元します…ただ、還元する部位が主にS1だったりS2だったりするだけです。
以上を踏まえて、よく思い出して下さい。
・サロンワークでお客様みんながみんなアルカリで膨潤しなければならない疎水性の毛質ですか?
・過去の施術で毛髪の損傷が激しく弾性の無い毛質にアルカリタイプのチオグルコール酸やシステインといった主にS1を切断する還元剤でさらに弾性を失いクタクタなダメージ毛にしたことありませんか?
“Libra Carl 7(中性システアミン7%)”の開発の意図はそこなんですね^^
・アルカリ膨潤に頼らない還元。
・主にS2を還元しても弾性を保ちやすい特徴のシステアミン。
中性システアミン7%なので精製水で希釈使用…還元トリートメント…プレ還元…カラー濃染…捻転毛の捻れを整えるなどなど、美容師さんの使い方一つでいろいろ出来ます♪
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