最近は“Libra Carl 7(中性システアミン7%)”を発売したこともあり、還元剤やクリープパーマ関係の質問が多くなってきました。
その中で特に“パーマがかかり難い”や“パーマが落ちやすい”といった毛質に対してどう対応したら良いかという質問が多かったので、今日はダブル還元パーマについてです。
実際に毛髪診断をしなければなんとも言えないのですが、そもそも“パーマがかかり難い”や“パーマが落ちやすい”という毛質はどんな毛質でしょうか?それらが解るとかかり難い毛質もかかりやすく落ち難いパーマ施術が可能になってくると思います…。
既にご存知の方は多いと思いますが、毛髪内部のS-S結合にはS1とS2とS3が存在します。
まず、S1とは疎水性のマトリックスとマトリックスの間を架橋している親水性のS-S結合のことです。
次にS2というのは親水性のフィブリルと疎水性のマトリックスの間を架橋している疎水性のS-S結合のことです。
最後にS3はマトリックスの内部またはミクロフィブリル内部のS-S結合…具体的にはダイマーやテトラマーといった部分のS-S結合が開裂すると毛髪は維持出来ないそうです^^;
ということで、毛髪内部のS-S結合に種類があるのはご理解頂けたと思います。では次に、どの還元剤がどのS-S結合を切断するかが解るとかかり難い毛質、落ちやすい毛質という悩みから開放されると思います♪
まず、還元剤は種類によってS-S結合を切断する部位と部分が違います。
部位の違いといえば…
・チオグリコール酸、システインは主に親水性のS1へ作用。
・スピエラ、システアミンは主に疎水性のS2へ作用。
部分といえば…
・チオグリコール酸(S1)、スピエラ(S2)は毛髪内部の中心までを還元部分とする。
・システイン(S1)、システアミン(S2)は毛髪内部の外側を主に還元部分とする。
以上を踏まえるとどうでしょう?
ダメージが進行していないからってチオグリコール酸使えば良い?…毛質がS1よりもS2の多い毛質だったらかかり難く取れやすくありませんか?
ダメージが進行しているからってシステアミン使えば良い?…毛質がS2よりもS1の多い毛質だったらかかり難く取れやすくありませんか?
ということで本題です^^
今までパーマがかかり難いと思ったときに使っていた還元剤の種類を思い出してみてください…S1のみ還元剤や、S2のみ還元剤を使用していませんでしたか?
極度の熱変性などの理由を除けば、S1とS2の両方を切断すればパーマがかかり難いとか取れやすいといった毛質は少ないんじゃないでしょうか^^?
ダブル還元のパターンとすれば…
・酸性チオグリコール酸(S1)→アルカリシステアミン(S2)
・中性システアミン(S2)→アルカリチオグリコール酸(S1)
・中性システアミン(S2)→アルカリシステイン(S1)
・スピエラ(S2)→アルカリチオグリコール酸(S1)
・スピエラ(S2)→アルカリシステイン(S1)
おまけにトリプル還元のパターン…
・酸性チオグリコール酸(S1)→中性システアミン(S2)→アルカリチオグリコール酸(S1)
・酸性チオグリコール酸(S1)→中性システアミン(S2)→アルカリシステイン(S1)
・酸性チオグリコール酸(S1)→中性システアミン(S2)→アルカリシステアミン(S2)
・酸性チオグリコール酸(S1)→スピエラ(S2)→アルカリチオグリコール酸(S1)
・酸性チオグリコール酸(S1)→スピエラ(S2)→→アルカリシステイン(S1)
・酸性チオグリコール酸(S1)→スピエラ(S2)→アルカリシステアミン(S2)
なんだかキリがないのでこの辺で^^;
ダブル還元・トリプル還元の基本的な施術は効率よくS1とS2の2種類のS-S結合をすばやく切断すること以外に還元時間短縮によるアルカリのダメージを極力避けることもありますので薬剤塗布は…
・酸性還元→アルカリ還元(3~5分)
・中性還元→アルカリ還元(3~5分)
・酸性還元→中性還元→アルカリ還元(3~5分)
※ちなみにアルカリ還元(S1)→アルカリ還元(S2)はダメではありませんよ^^;
の順番になります。この後クリープパーマに展開するとより良い結果が得られるでしょう!!
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