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キトサン

前回の“もうすぐ…”ってブログの中でキトサンについて詳しく説明できてなかったのでちょっと書いてみます。

常にサロンワークではいかにダメージを抑制し、またどれだけ効率よく毛髪補修できるかによってカラーやパーマの仕上がり、さらにトリートメントそのものの持続期間に差が出てきます。

方法とすれば前処理・中間処理・後処理と各種トリートメントを複合的かつ効果的に施術していくのですが、今回はキトサンについてなので中間~後処理のお話になります。

一般的に知られているキトサンの効果としては帯電防止、ハリコシUP、艶感UP…でしょうか?

成分としては、エビ・カニ等の殻を精製したものが“キチン”と呼ばれ、この“キチン”から80%以上を脱アセチル化して抽出精製したものが“キトサン”です。

このとき“キチン”から完全に“キトサン”に処理できないために“キチン・キトサン”と呼ばれたりします…よくダイエット食品のCMなんかでよく耳にしますよね^^;

↑こうして“キチン”と“キトサン”と“セルロース”を比べて見ると解るように“キチン”にはN-アセチル基(NHCOCH3)という部分があるのに対して、脱アセチル化した“キトサン”にはそのN-アセチル基(NHCOCH3)のかわりにアミノ基(NH2)があります!!コレ非常に重要!!

で、セルロースはといえば非常にそっくりな構造なんですが…そうヒドロキシル基(OH)を持っているんですね^^コレも重要!!

まずキトサンのアミノ基(NH2)の何が重要かというと…厳密に言えばキトサンのアミノ基(NH2)は陽イオン系アミノ基といってカチオン性であるということ!!

ということは毛髪のケラチンタンパクのアニオン性であるカルボキシル基とイオン結合し、イオンコンプレックスを生じるため毛髪表面に強力に吸着し皮膜形成します。

※この時にβシート構造を持ったφ型ケラチンに酸+キトサンの組み合わせだとポリイオンコンプレックスを形成。とても相性が良い処理方法です^^詳しくは→φ型ケラチン

またキトサンの特徴として、約20%と適度な吸湿性を持っていますのであらゆる気温と湿度に対して、一定の保湿を保持する働きがありますのでハリコシUP、艶感UPだけでなく柔らかさもUPします^^

で、セルロースは…また今度書きます^^;とりあえず分子量40万というカチオン性高分子で吸水性が高いので程よく保湿し、櫛どおりを良くするものでほとんどのシャンプー・リンスに配合されてるものだと思ってください。

ちなみにWECO BASEで扱っているキトサンは一丸ファルコス社のキトフィルマーHV:分子量80万の高濃度タイプのキトサンです。

先ほどはキトサンにはアミノ基(NH2)があることによってケラチンタンパクのカルボシル基にイオン結合により強力に吸着し皮膜形成すると書きましたが、この強力な皮膜…シリコンなどの皮膜と違って網目構造のため皮膜形成後でも薬剤浸透ができる特徴なんです☆セルロースも^^;

なので後から各種PPTや薬剤を重ねても邪魔せずに浸透させることが可能なので、後処理にしか使えないと思われがちなキトサンは実は中間処理にPPTと併用するとによってとても効果的に使えるんです!!

…他にも皮膜だけならシリル化PPT・ポリマー・シリコンなど皮膜系処理剤はたくさんありますがこれらは保湿や質感の向上はできてもキトサンでなければ枝毛の修復はできません。

シリコンもダメージ補修には欠かせない原料ではあるものの特にキューティクルが剥離しているようなハイダメージ毛の修復にはキトサンあっての他の皮膜系処理剤なので…。

こと皮膜に関してはキトサンやセルロースのほうが多様性があるってことですね。





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