ある村には満月の夜になると狼男達による被害が度々起きます
こう聞くと狼男達だけが悪者ですが狼男達にもそれなりの事情があるのです(笑)
村は狼男達が侵入してこないように強力なバリケードで村を囲います。
狼男達が攻めてくるとこのバリケードが破壊されるので村人達は大変です💦
狼男達も村に攻め入るにはそれなり時間と労力がかかるので速やかに村を制圧したいわけです。
ここで狼男達は自分たちの特性を利用しました。
それは…満月の夜以外では外見は普通の人間と変わらない…
昼間に村へは旅人のふりをして侵入します。
夜になると満月の光を浴びて狼男に変身
バリケードをこじ開けて攻め入る正攻法とは違い短時間で村を制圧できました。
夜が明けると狼男達は人間の姿に戻り自分達の土地を取返し平和になりましたとさ。
という…え、ちょっと待って異世界系脚本家でイケそう??(笑)…というのは冗談で。
・日中人間に擬態した狼男=酸性チオグリコール酸
・満月で変身した狼男=アルカリ性チオグリコール酸
・満月=アルカリに移行するタイミング
・昼間に旅人のふり=酸性段階で浸透だけ済ませて反応しない状態
・バリケード=キューティクルやSS結合
・短時間で制圧=pHを酸性からアルカリへ移行で一気に還元
・夜明けに平和=2剤完了
こんな感じで物語形式で今回はケミカル要素を省いてみました。
ここからはもう少し詳しく
リブラカール5は弱酸性のチオグリコール酸なのですが、通常これだけでは還元力が弱すぎてかかりません。
使い方としてはリブラカール9の様なアルカリ還元剤を減力する際にカール5を混ぜてもOKですが今回はpH移行還元について!!
チオグリコール酸はアルカリ条件下で脱プロトン化されて チオラートアニオン(R–S⁻) いわゆるイオン化して初めて還元力を発揮します。
酸性だとこのイオン化が起きにくく、熱活性を利用しない限りほぼ還元反応はほぼ起きません。
ちなみに髪は濡れるとアニオンに帯電します。
アルカリ性チオグリコール酸だとチオラートアニオンへイオン化しますが、アニオン同士反発が生まれるので還元力は強くなるが浸透性は酸性チオグリコール酸より遅くなります。
つまり酸性チオグリコール酸とアルカリ性チオグリコール酸は真逆の性質があります。
・酸チオ=浸透は早い、還元力は弱い
・アルカリチオ=浸透は遅い、還元力は強い
施術の流れとしてはリブラカール5(酸チオ)で付け巻きワインド→カール9(アルカリ複合還元剤)で一気に活性化で時短還元。
通常10~15分経過してテストカールするところを、5分後にテストカールチェックします。弱ければ3分後にチェックもしくはカール9の再塗布。
※カール5は液体なので根元の液ダレが心配なときはジェル5を5~10%添加して適度に粘性持たせたり、もしくはトランスフォームで泡化して馴染ませると便利です。
メリットは…
①酸チオを事前に仕込んでおくことで、アルカリ移行時には既に深く内部にチオが待機していて即還元出来る状態。またアルカリに曝される時間が短縮出来て表層から順番に過剰にSS結合が切れるのを防げます。
②通常のアルカリ還元だと健康毛は還元が遅くダメージ毛は早く切れることが多いですが、酸性浸透で毛髪内部に均一にチオを分布させておくことで、アルカリ移行後は反応速度がほぼ同じになり、ムラなく均一な仕上がりに。
③酸性段階で表層がまだ還元されないため、キューティクルなど表層のタンパク質損傷が少なくなる。
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