縮毛矯正やパーマで「選定も放置時間も合っているのに還元が進まない」ケースありますよね?
その原因の一つが毛髪に蓄積した金属イオン(銅・鉄など)です。
金属イオンは2つの経路でサロンワークを邪魔します。
薬剤側のスペックを上げる前に髪の側の状態を疑う価値があります。
チオグリコール酸などのチオールは銅や鉄といった遷移金属イオンの存在下で酸化が触媒的に促進されます。
2 R–SH + 1/2 O₂ → R–SS–R + H₂O(金属イオン触媒)
つまり還元剤はSS結合を切る前に金属イオンとの反応で自ら酸化されて消費されていきます。
薬剤の還元力表示が同じでも金属を多く抱えた毛髪では内部に届く実効還元力が目減りします。
「還元が浅い毛」と「還元剤を横取りされている毛」は軟化チェックでは区別がつきません…ここが厄介なところですね💦
ブリーチや脱色ではもう一つの経路が問題になります。
銅イオンは過酸化水素とフェントン様反応を起こしヒドロキシルラジカルなどの活性酸素を発生させる触媒として働きます。
ラジカルはメラニンだけでなくケラチンタンパク質も無差別に攻撃するため以下のような結果を招きます。
銅の蓄積が大きい毛髪ではブリーチ時に異常発熱が報告されることもあります。
金属イオンは「色の問題」ではなく「反応制御の問題」です。
ダメージ毛は多孔質でカルボキシ基などの吸着サイトも増えているため金属イオンを溜め込みやすくままたシャンプーではとれない。
日常の蓄積が施術当日の反応を左右します。
金属イオンへの対策はキレート剤で金属を配位捕捉し反応系から外すことです。
キレート剤が金属を掴む力(条件安定定数)はpHに依存します。
一般的なキレート剤では酸性では配位座が水素イオンに占有されて力が落ちてしまいますが、キャンサー29に配合のキレート剤はアルカリ性に傾くほどキレート力は上がります。
ここが重要でパーマ・縮毛矯正の作業域はpH8~9前後のアルカリ域!!
ということでキレート剤は「最も必要とされる環境で、最も強く働く」設計として噛み合っています。
キャンサー29〈ヘアコンディショナー〉は、カラー剤・パーマ剤に5%ミックスして使う添加剤です。全成分から役割を読み解きます。
得意な金属とpHプロファイルの異なる2種を併用し、捕捉の範囲を広げる設計と読み取れます(併用の意図は推論です)。
また最近はトリポリリン酸ソーダをキレート剤として使う美容師も増えてきましたが…
キャンサー29は遷移金属の封鎖が主目的に対して、トリポリリン酸ソーダは洗剤のビルダー(軟水化)が主目的とされるキレート剤でキャンサー29よりもキレート力が劣ります。
またキャンサー29は酸〜アルカリで安定して加水分解しないのに対し、 トリポリリン酸ソーダは水中で徐々に加水分解してピロリン酸→オルトリン酸になりキレート力が落ちます。
金属イオンが封鎖・除去されると毛髪表面の陰イオンサイトが空きカチオン化PPTの吸着率が上がります!
硬く感じる仕上がりになる場合はキレート剤ではなくPPT側の添加量を減らして調整してください。
使い方と材料費は現実的です。
金属イオンによる消費が大きかった毛髪では、実効還元力が戻るため結果的に下げられる場合はあります。
ただし金属蓄積の程度は毛髪ごとに違うので一律に下げるのではなく軟化の進み方を見て調整してください。
はい。むしろブリーチでは銅イオンと過酸化水素のラジカル発生というより直接的な損傷経路があるため金属封鎖の意味は非常に大きいです。
金属の蓄積は生活環境(水質・プール・温泉の頻度)に依存します。
効きが悪いムラが出るなど発熱が気になるといった兆候がある毛髪ほど優先度が上がります。
商品情報:キャンサー29〈ヘアコンディショナー〉1000ml リフィル ¥6,600(税込)/ 5+1セット ¥33,000(税込)
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