弊社協賛の日本毛髪ケラチン協会(JHKA)から新しい動画を配信しました!!
パーマ1剤のチオグリコール酸は、自主規制で7%を上限とされています。
この「7%」はなんとなく決められた数字ではありません。
毛髪に含まれるSS結合の総数に見合うように設計された上限です。
その根拠は毛髪のSS結合の数を数えてみると分かります。
数は非常に膨大なのですが、実はチオグリコール酸7%の還元剤の分子数と概ね同じなのです。
毛髪はケラチンタンパク質でできています。
ケラチンは20種類のアミノ酸がつながった分子でそのところどころにSS結合があります。
このSS結合の部分は「システイン残基」と呼ばれます。
ケラチンが分解されるとシステインというアミノ酸になるものが、ケラチン分子の中に残った形になっているためにこう呼ばれます。
ケラチンタンパク質のアミノ酸含有量を見るとSS結合を作るシスチンは最も多く含まれるアミノ酸のひとつです。
アミノ酸残基が100個あるとすればシステインは16.6個の割合で存在しています。
比較すると羊毛もシスチンが10%ほどあり毛髪とアミノ酸構成が似ています。
どちらもシスチンが多いためSS結合が多く硬い素材です。
一方シルクはシスチンが非常に少ないためSS結合も少なく柔らかいことがこの構成の違いからも確認できます。
では本題です。
毛髪にはSS結合がいくつあるのでしょうか?
シスチンが16.6%あることから推計すると毛髪1gの中にはSS結合が約0.0005〜0.0006 molあると推定されます。
個数で表すとざっくり3×10²⁰個…約1兆個の約3億〜4億倍に相当します。
原子や分子はあまりにも小さく数が膨大ですね。
普通の数では表せないため「モル」という単位が作られました。1 molは、約6.02×10²³個です。
モルがややこしく感じるのは単なる「数」だけでなく質量(重さ)とも結びついているためです。
あえて例えるならお米のようなもので1粒ずつ数えるのではなくまとまった量を単位として数えると考えると分かりやすいかもしれません♪
人の毛髪の重さの目安として毛髪100gで考えてみます。
これは長さ20cmの毛髪10万本に相当する重さです。
毛髪100gになればSS結合は約0.05〜0.06 molになります。
個数では1兆個の約300億〜400億倍です。
そしてこの0.05〜0.06 molに相当するのが…
チオグリコール酸7%のパーマ1剤、1人分である80mlに含まれるチオグリコール酸分子の数なのです。
つまりパーマ1剤に入っている還元剤の分子数は結果的に毛髪100gのSS結合の数を上限として設計されているということになります!!
これが7%という自主規制に理由があると言える根拠です。
ここで大事なのは還元剤の分子数がSS結合と同数あるからといってすべてのSS結合が還元されるわけではないという点です。
実際に還元されるのは全体の2~3割程度のSS結合だけです。
もし還元剤が毛髪の隅々まで浸透しすべてのSS結合を切ってしまうようなことがあればその毛髪は壊れてしまいます💦
パーマはSS結合を全部切る施術ではありません。
2〜3割程度のSS結合を還元し再結合させることでかけているのです。
「濃ければよくかかる」のではなく、毛髪側のSS結合の総量には限りがあり、それに見合った量として7%がある。
この前提を知っておくことが、過還元を防ぎ、毛髪を壊さないパーマ施術につながります。
Q. チオグリコール酸7%は、誰が何のために決めた上限ですか?
A. 本記事では自主規制としての上限を前提に、その科学的な根拠を解説しています。毛髪100gのSS結合の総量(約0.05〜0.06 mol)と、7%・80mlの1剤に含まれる還元剤分子数が概ね一致するため、その総量を上限として設計されていると考えられます。
Q. 還元剤の濃度を上げれば、パーマはもっと強くかかりますか?
A. SS結合の総量以上に作用させることはできませんし、すべてのSS結合を切れば毛髪は壊れてしまいます。実際に還元されるのは2〜3割程度であり、その範囲でパーマは成立しています。
Q. 毛髪100gとは、どのくらいの量ですか?
A. 長さ20cmの毛髪10万本に相当する重さを目安としています。
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